資料4
都市再生を実現するための手法について
1.都市再生の事例
参考資料3を参照
2.都市再生をスムーズに行うための誘導手法(案)
都市再生のあり方を実現し,地区全体の質を高めるためには,様々な手法を組み合
わせて実施することで良好な街並みを誘導する必要がある。また,現在低迷している
住宅需要を創出し,民間事業者が実施しやすい体制を整える必要がある。
(1)都市の再生を誘導する手法
ア.地区計画等の法的な規制誘導及びガイドライン等による誘導を行う。
現在は,用途地域,地区計画,高度地区等により誘導を行っている。
法的な制限の一覧は参考資料4を参照。
地区の特性により,ガイドライン等による誘導も検討。
イ.土地販売時に一定の誘導を行う。
(公務員宿舎,研究教育機関宿舎等のみ)
財務省の制度において財産処分の手法が定められている。
(参考資料5)
良好な都市環境を誘導するためには,一部において「二段階一般競争入札」を
取り入れることが必要である。※詳細な協議は第3回推進会議で実施
ウ.インセンティブを与えることで誘導する。
各種補助制度の適用や新たな補助制度の創設,税制の優遇等により,市の意向
に沿った開発に対しインセンティブを与えることで誘導する。
○想定されるインセンティブの種類
行政による施設整備 周辺のペデストリアンデッキ及び公園の再整備 街区内における新設ペデ等の整備
公共交通の誘導
民間開発地における共同溝の管理 等 財政的支援 現行の国等の制度における支援
市による新たな制度創設
民間需要創出に資する事項に対し支援する制度を創設 (補助金や税制の優遇 等)
制度面の支援 容積率の緩和 等
資料4
街区の特性に応じて上記手法を組み合わせて実施することで都市再生のあ
り方に沿った良好な都市環境を誘導する。
■地区ごとの主な誘導手法
①商業業務集積地区 ア,イ,ウを組み合わせて対応
②中高層住宅地区
・中心市街地 : ア,イ,ウを組み合わせて対応 ・竹園・吾妻東部エリア : ア,ウによる対応 ③中低層住宅地区
④生活サービス地区
アによる対応
※具体的な内容は第3回推進会議で提示予定
(2)都市再生を実現する際の課題(住宅需要)
削減計画では,中心市街地,竹園・吾妻東部エリアで約
24ha
の処分が予定され
ており,すべて売却すると想定
2,500
戸の開発が行われる可能性がある。しかし,
つくば市の分譲住宅着工数は 500 戸程度あり,
短期で処分を行うことは困難である。
表
エリア,地区別想定開発戸数一覧(将来人口の推計による)
地区
削減宿舎面積
想定戸数
中心市街地 ①商業業務集積地区 1.7ha 240 戸 ②中高層住宅地区 13.9ha 1,715 戸 ③中低層住宅地区 3.6ha 150 戸 ⑤多種機能混合地区 0ha 0 戸 小計 19.2ha 2,105 戸 竹園・吾妻東部
エリア
②中高層住宅地区 3.3ha 310 戸 ③中低層住宅地区 1.8ha 75 戸 ④生活サービス地区 0ha 0 戸 ⑤多種機能混合地区 0ha 0 戸
小計 5.1ha 385 戸
合計 24.3ha 2,490 戸
3,000 4,000 5,000 6,000 7,000
1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
( 戸 ( 県) ) ( 戸 ( 市) ) 住 宅 着 工戸数(分譲 )
資料4
■短期的に処分した際の課題
○住宅等の需要が低迷していることや市場が小さいことにより,
すべてを一度に処
分することが難しい。
○土地の供給が過剰となることで,買手市場となり,良好なまちづくりへ誘導する
ことが難しい。
○一度に開発が行われると居住者(購入者)の年齢層に偏りが発生し,長期的な都
市運営に影響を与える。
○公務員宿舎立地街区周辺 のペデストリアン デッキや公園等の都市イン フラの更
新が必要であるが,一度に開発が行われると対応が難しい。また,市による補助
金等のインセンティブを付与することも難しい。
○供給過剰となり土地価格が下落し,国庫への収入が少なくなる。
一度に処分するのではなく,段階的に処分する必要がある。
需要を考慮すると中心市街地は,7~10 年程度
竹園・吾妻東部エリアは 4,5 年程度
具体的なスケジュール等については,審議事項4(3,4回)で検討
■段階的処分の利点
○市場動向に合わせた土地売却となるため,
比較的土地処分がスムーズに行われる
可能性が高い。
○適正な土地供給量を維持することができるため,事業者と協力し,良好な街並み
を誘導することができる。
○市による都市インフラ の更新を民間事 業者 の開発と同時期に実施す ることがで
きる。また,開発の期間が分散することにより市の支援(インセンティブ)も行
いやすくなる。
○土地の処分が適正に行われることにより,一斉処分より処分価格が上昇し,国庫
収入が増加する。
※参考
小林委員提供の資料(資料4別紙1)参照
今回は概ねの方向性を整理し,
第3回検討会において具体的な支援内容及び誘導手
資料4別紙1
公務員宿舎廃止と研究学園地区のまちづくりの両立に向けて
2013.7 小林
はじめに
:検討の前提となるつくば市の住宅・不動産市場の特性①エクスプレス沿線開発に伴う大量の宅地供給が見込まれている。
②近年の東京都心回帰を受けて住宅需要量は限られている。近隣の住み替え需要が中心。
③商業・業務系の土地需要は、飽和状態である。
研究学園駅周辺の大型店、イオンつくば等により、つくば駅周辺の商業需要は弱い。
(1)公務員宿舎一斉廃止・土地処分がまちづくりに与える影響
①人口激減問題とは(3~5年間、研究学園都市中心地の人口が減少する)
・つくば駅前商業施設の衰退の懸念
イーアスつくば、イオンつくば等の影響で、集客構造が変化している。
近隣の公務員宿舎廃止が、撤退等の契機となることが懸念される。
・学校への影響 児童数の激減。数年間、ゴーストタウンを通り通学する危険など
・都心部らしい「賑わい創出」の困難化(都心部に相応しい機能誘導が難しくなる)
商業衰退により現在のペデ上の賑わい創出活動も停滞。回復するまでに長期間を要する。
②販売苦戦予想による土地売却難問題とは
一斉廃止・売却では、公務員宿舎の入居者は他地域に転出しやすい。そのパターンは、 1).エクスプレス沿線その他の住宅を購入する(中古orH27.8までに完成予定の住宅)
2).エクスプレス沿線その他の住宅を購入し、宿舎廃止後に一時的に賃貸住宅に住む。
沿線開発、先行売却した公務員宿舎跡地で、相当数の供給予定あり 3).賃貸住宅に住む。その一部が事業完成後に住宅を購入して戻る。
○なぜ、3)の「戻る世帯」が少ないのか。
・沿線開発及び跡地の先行売却地による大量の住宅供給が見込まれ、そちらを購入する。
・ファミリー向けの賃貸住宅数が限られているため、待機できる世帯数が制限される。
○上記の結果、販売苦戦が予想される。
予想0~2割
H27.4
戸建住宅地は短期間
マンションは長期間
宿舎廃止 土地売却 事業完成
1年半~3年間
居住開始
( 20%) 入 居率( 70%)(40%)
H26.9
②土地売却難問題
①(3~5年)人口激減問題
②販売苦戦予想 H25.9
資料4別紙1
2
(2)一斉廃止と段階的処分の収支比較
「一斉廃止」は土地処分の難航が予想される。これに対して、「段階的処分」(段階的転換方
式)は、土地処分価格を高める効果がある。
段階的転換方式:公務員宿舎用地を複数に区分し、時期を分けて段階的に売却・用途転換するこ
と。街への影響を軽減しつつ、跡地開発時に一定の住宅需要を確保する効果がある。
なお、正確な収支試算はできないため、仮定の数値を採用している。下記では、仮定した数値を明記しつつ、
収支比較を行った。また、事業収入は、現在価値への修正が必要であるため、割引率年 5%として、平成 28 年
4 月時点(一斉廃止時の土地処分時期と仮定)に一致させた。
■仮定した数値一覧
1.区分:各期 5ha 300 戸×4期 とする。(試算のための仮定です)
2.土地処分価格の想定 研究学園都市の中心市街地を想定
一斉廃止 段階的転換 (運用 or 割引率)
土地売却単価
( 必 要 経 費 を 除 い た 手取り 予想額 )
0期(少し離れた地域) 坪 25 万円 坪 25 万円 2%、2 年運用
1期(少し離れた地域) 坪 20 万円 坪 25 万円 0%
2期(中心地域の宅地) 坪 30 万円 坪 45 万円 5%、2 年割引
3期(駅前地区) 坪 50 万円 坪 80 万円 5%、5 年割引
・一斉廃止では、住宅需要が低迷するため土地の売却に困難が伴うと仮定。また、商業業務需要も乏しい
・坪 30 万円は、戸建住宅販売時に坪 45-50 万円相当になる。(30+取壊・造成・利益 5~10)÷0.8(通路損失)
・段階的転換の2期・3期は、商業施設が維持され、マンションが想定されるため売却単価が高くなる。
・参考:研究学園駅前地区(容積率 400%)の価格例は、約 80~120 万円/坪(経費控除前)
■上記の条件による試算結果
一斉廃止 段階的転換
土地売却価格 0期 39.4 億円 37.9×(1.02)
2
=39.4 億円
1期 30.3 億円 37.9 億円
2期 45.5 億円 68.2 億円×(1-0.05)
2
=61.5 億円
3期 75.8 億円 121.2 億円×(1-0.05)
5
=93.4 億円
合計(H28.3 の時点修正価格) 191 億円 232 億円